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   巻頭文(求道のあかし)

令和7年11月1日
佐田靖治


 
 仕組みの拡大は予想を超えるスピードで進んでいる。それは仕組みを潰すためで、それに対処できなければ我々の世界は妖怪体制に飲み込まれてしまう。仕組みは成り立つためにあるのではないのである。発生の源を食い潰し、宇宙を廃墟化し尽くしてしまった機械妖怪は、我々正統派を受け入れているわけではない。廃墟化した源が必死の思いでよみがえろうとしている領域を、妖怪は食い潰すために襲い掛かる。

 それを押しのけ払いのけて我々の仕組みは進んでいるが、その難儀は進めば進むほど厳しくなる。今年に入って廃墟が三から四へと深まっていったばかりであるが、仕組みを押し流そうとする無秩序の膨大なヘドロの総攻撃によって、領域はさらに奥へと深まっていった。廃墟の五層目に突入してしまったのである。三層四層の伏魔殿体制との戦いが、次の若い世代の冥界魔物自然神コースの課題だと言われて、それならということで意気込んで取り組み続けてきた。ところがその中身はあちらの言い分とは似て非なるものであった。

 次の廃墟の奥五層のヘドロも食い潰された自然のエネルギーが中心で、次の若い世代向けのものだと言われたが、あまりにも早くて膨大なので、課題をこなす前にこちらが埋め尽くされてしまう様相となってしまっている。太陽系の仕組みは廃墟三四の伏魔殿の垂れ流しの色地獄の便所の神による行政府によって埋もれ始めており、世界ぱかりではなく、仕組みの中心基地である日本にもそのメンバーが首相として立ってしまった。妖怪化した世界に合わせて日本まで汚染されてしまったのである。

 世界が同色になれば、その色に合わせて日本もそれなりには繁栄するかもしれない。しかし仕組み的には致命傷とならざるをえない。その展開を目の当たりにして、仕組みは地球レベルでは成果が上げられないと思わされてしまった。もちろん異次元的には仕組みは成功裏に進行していると言えるのではあるが、仕組みは太陽系の人類が担わされているのである。宇宙レベルには主導権がない。それは宇宙世界が物質人間の科学によって潰されてしまった責任があるからで、その責任を果たさなくてはならないのが人類の仕組みというものなのである。

 そこからよみがえって来る大量の自然のヘドロは、科学によって破滅してしまった自然であって、廃墟化する地球の自然をよみがえらせることができる性質のものではない。底に沈み込んでいるだけに、普通のヘドロよりも腐れ度が高く、それをまともなものにするのは容易なことではない。だいたい我々の現実の太陽系の自然ですら科学に食い潰されてしまっている自然でしかない。それを正常化することすらできない我々に、深く沈み込んだヘドロの自然を簡単に治せるわけもない。

 最近超人工知能の開発をやめるようにとやっと科学者たちが言い出したが、時既に遅しである。ここで止まるものならとっくの昔に止まっていなくてはならなかった。誰にでもわかるその危険性に押し流されて廃墟化していくしかない地球文明、人類危うしと言わざるを得ない。仕組み的には水星の未来があるにしても‥‥。


 この巻頭文は「光泉堂だより」に毎月掲載しているものです。

 

 
 
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