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   巻頭言(求道のあかし)

平成30年4月1日
佐田靖治


 
 また一年間の節目時が桜の花と共にやってきた。いつも菜の花を伴ってやって来るのであるが、去年あたりから何かがおかしくなった。菜の花がにょろにょろと首を伸ばし始めたのである。それはナノハナサクヤヒメなのだという。去年だけで終わってほしいと願ったのであるが、今年もコノハナサクヤヒメに対抗して首をもたげ始めた。これも仕組みにかかわる重大事件だと思われる。私としては広々と下映えして長持ちする庶民的なかわいい花の軍団のほうが好きなのであるが、起き上がって自己主張し始めたひょろ長い菜の花は、お粗末でかわいげがないし、見栄えが悪いのですぐ刈り取られてしまう。去年はそれでひどくがっかりしてしまったのであるが、今年もそれを繰り返しそうである。家の前の小川の脇にびっしり生えるので、毎年楽しみで、すぐ散ってしまう桜の花よりずっといいと思っていたのであるが。

 それはともかく、仕組みの会にも新しい波が少しずつ押し寄せては引いて行き、老化しながらも生まれ変わりつつある。今年に入ってからのことであるが、初期の主要メンバーであった大山一会員が向こうの世界に旅立ってしまった。会と家族に繋がりがないので知らないままでいたのであるが、四十九日が終わる頃に京都の会員によってそのことを知らされた。それから富士神界にいろいろ確認をすることになったのであるが、あまりいい感触が伝わってこない。本来彼は神賢者系の教説に染まっていて、そちらとの縁が切れることなく亡くなってしまったらしく、こちらと接触してもこちらを向いてはくれないのである。どうもあちらのほうがいいらしくて、いろいろ働きかけても結局は神賢者の基地となっているイオ(木星の衛星)へ引っ張っていかれてしまう。こちらとしてもどうすることもできないので、様子を見ると言うよりは好きにしていただくことにするしかなかった。

 彼は仕組みの会が光泉堂だった頃駆けつけてくれた佐田宇宙の一人で、亡くなった長谷川女史、会を離れた東氏、その二人の仲間を連れて来てくれて、第一期の仕組みの中心となって働いた貢献者であった。テイタン神族はムー大陸で働いた仕組みメンバーで、佐田宇宙の先頭集団として華やかな一時代を作り上げたとされているが、旧体制のオリンポス神族に押さえ込まれてしまっている。仕組みの総合先導役とともに人間に生まれ変わって、今回の大仕組みのために早々に駆けつけてくれたのではあるが、残念ながら彼らは最後まで辛抱することができなかった。しかし彼らは第一期の神界コースの仕組みを織り上げる働きを存分に果たしてくれた。

 六台宇宙のメンバーも、その働きを終えた段階で三分の二の大多数が無源へ帰っていった。全体の仕組みは終わってはいないが、果てしもなく広がってしまっている廃墟の大掃除をすることは並大抵のことではない。拡大しながらまだまだ広がっていく膨大な廃墟は、その始まりも果てもわからない。そんな仕組みの仕事をすることは有限の生命体には荷が重過ぎる。一役終えてそれで良しとするならそれでいいわけで、自分の生命をどう生きるかは本人の自由ではある。


 この巻頭言は「光泉堂だより」に毎月掲載しているものです。

 

 
 
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