地球の仕組みが最終段階に入っておかしくなっている。廃墟の伏魔殿体制が地球の物領賢者コースの最終年で、狂気のような総攻撃を地球人類に向かって仕掛けてきている。そのため地球は砂漠化を早めて自然が悲鳴を上げている。人類は世界を破滅させる科学化に向かって突進し続け、人間を滅ぼし始めている。
そのことは伏魔殿的には予定調和なのかもしれない。地球の縮図日本に神界の仕組みが設定され、その中心に富士山が置かれ、日本の国に天皇家が設定されている。それは昔からのもので、今の時代にできたものではない。そしてそれらは仕組みを潰すために設定されていると思われる。
地球の仕組みはあと三十年足らずにまで押し詰まってきているが、ここまでは仕組み組が何とかやりくりして成功裏に進めてくることができていた。しかしこの最終段階にきてその様子がおかしくなっている。うまくいくように見えていた仕組みが、科学の牙を剥き出しにした伏魔殿によって圧倒され始めているのである。そしてそれをバックアップするように天皇家がその本性を剥き出しにし始めている。
天皇家は大和の昔より仕組みの役割を担わされていた。大和の時代にはスセリヒメの仕組み、明治以降はオオクニヌシの仕組みということになっているが、天皇家にその主役の役目があるわけではない。そこに日本人を見誤らせる設定が仕掛けてあるのである。天皇家は執政であって王様ではない。ところが日本人は執政を王様と見間違えている。日本の執政は王様を埋め込んで潰しているのである。
富士山の底にはその王様がヒツジヒメとクニトコタチによって封じ込められている。仕組みはその王様を救い出さなくてはならないのである。大和の天皇家はその役目を果たすことができなかったし、明治以降の天皇家も仕組みの先導役が出てきて調整させられるまでは、仕組み潰しの先頭に立っていた。
仕組みの先導役が潰されることなく出現して、その役目を果たし始めると、天皇家はやむなく王様を救い出すための課題に取り組み始めたが、ここに来てその役目に伏魔殿色が戻ってきてしまっている。そしてそれを改めようとはしなくなってきている。それは仕組み側にとっては予想外のことであるが、伏魔殿的には予定調和の展開ということになるのかもしれない。
もっとも仕組みは天皇家のものではない。そこに仕組みにたずさわっている者の見誤りやすい部分がある。あたかも天皇家が日本の仕組みの中心にあるかのように見えているのだろう。しかし天皇家は仕組みを潰す側にあるのである。仕組みを立てるか潰すかは天皇家の問題であるが、天皇家が王の立場を取り続けるかぎり、仕組みは成り立たなくなる。
そのことは天皇家やその周辺の役目のある者たちは理解しているはずである。そのことは大和の仕組みの時でも、今回の仕組みの場合でも同様で、その役目を果たすのが本来の天皇家の立場だということは秘められた約束事なのである。それが無視され始めたということは、最終段階での伏魔殿の策略だとしか考えようがない。
この巻頭文は「光泉堂だより」に毎月掲載しているものです。
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