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No.4 イエスとキリスト

平成10年4月10日
佐田靖治


イエスという人間とキリストという精霊は同一視されて、キリスト教徒の間ではイエス・キリストと呼ばれている。しかし、この両者は同一存在とは言いがたい。イエスは約二千年前のイスラエルに生まれた人間で、キリストはその人間に降りた霊である。キリスト教ではそれを創造主と人間イエスをつなぐ精霊と考えている。それはそれでいいのだが、イエスは死後復活したとされているが、復活したと言うよりは異次元に入っただけのことである。キリスト教は霊界宗教だけれども、イエスは死んで霊界に入ったわけではない。霊界の上部にある神仙界(賢者界、ハイラーキー)に入った。このときイエスとキリストは分離していることになる。

キリストと呼ばれる霊界次元の精霊は、宇宙の表現世界、つまり星の世界を超えた根元界にいた存在で、人間に霊界宗教を説くために、二千年前に地球に降りて人間イエスの中に入った。この根元界という超越世界は、表現世界の原型が存在しいるような領域で、プラトンはこの世界をイデアという概念でとらえている。この世界には、術界(技能界)コースからはプラトンが、仏界コースからは釈迦が、神仙界コースからはモーゼスが人間の代表として入っている。イエスは霊界コースを通って、この超越世界へ入らねばならなかった人間だった、と思われる。しかし、彼はその偉業を達成する前に殺されて、地球のハイラーキーにとどまった。

キリストは、人間に霊界という世界を認識させるために根元界から降ろされた存在である。しかし、これは人間の魂が進化していくコースとしては最下層の霊界コースであるにすぎず、人類の魂はここらあたりから霊界化していったことになる。一神教を説き出したモーゼスは霊界より一次元上の神仙界コース、仏教を説いた釈迦はさらにその上の仏界コースの導き手であり、それよりもう一段上の術界(技能界)コースを説いたのはプラトンであった。しかし、さらにその上の次元にある神界コースは見失われてしまっている。古代の神々を抹殺することによってその世界、あるいはその魂の進化の道は閉ざされたが、二十世紀末の今、再び神の道は説き直されはじめている。


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