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No.10 一神教は父神の宗教である

平成10年11月17日
佐田靖治


一神教とは何かと問いかけてみたとき、まず出てくる答えは、父神の宗教であるということである。もちろん今で言う一神教の中には、モーゼスが説いた一神教と、イエス・キリストが説いた一神教と、マホメットが説いた一神教があるので、それをすべて父神の宗教と言うわけにはいかないが、一神教をキリスト教の立場で見る場合には、それを父神系の宗教であると言うことができる。

一神教とは創造主一神を立てる霊界宗教であるが、古代の神々の系統で分類してみると、同じ一神教でも前記三者の間に微妙な違いがあることがわかってくる。同じ創造主という一神を立ててはいても、説き出した三者の違いがあって、それがそれぞれの一神教に別な性格づけをしているからである。

モーゼスの魂は神々の系譜から見ると、男ではあっても母神系のものであって、仏教の開祖である釈迦や、道教の開祖の老師や、儒教の開祖の孔子と同じく、母神が父神に変化した形の現れ方をしている人間である。このことは古代の神々を受け入れていないとなかなかわかりにくい内容だと思われるが、このことを抜きにしては宇宙浄化宇宙変革の問題は語れない。

一方、イエス・キリストはギリシャ神話で言うウラノスや後のゼウスのような父神系統の魂の持主であって、キリスト教が古代ローマに根づいて世界宗教化していったのも、ローマが父神の守護する支配体制だったからであろう。モーゼスの場合はガイアとかヘラという母神系であって、イスラエル十二支族を統轄しなければならない立場だったので、父神の立場でのみ一神教を説くわけにはいかなかったと思われる。つまり、イスラエルを統合するダビデの星が象徴する子神系、ギリシャ神話で言えばクロノスを立てなくてはならない神の仕組みの立場があったからである。

他方、イスラム教のマホメットの場合はアッラーを創造主としながらも、それを説き出したマホメットが天使ガブリエルの教えを説いたと言われているように、神々の系統から見ると前二者とは違っている。マホメットはギリシャ神話で言えばアポロン的な立場から教えを説いたが、それは千年期の神の仕組みがつぶれたことから誕生した霊界宗教であった。


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