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No.24 21世紀に突入して

平成13年1月9日
佐田靖治


キリスト教の預言が外れて、人間社会は21世紀に入った。世紀末に人間社会が荒廃して神の鉄槌が下される、というのがキリスト教の預言であった。ところが今度もまたその預言は千年前と同様に外れてしまった。ミレニアムの一年間を経過して、21世紀の新時代に入り、人間社会を見渡してみると、荒廃した焼け野原ということでもなさそうである。

しかしながら、世界は機械化が進行していて思いもよらない方向へと向かいつつある。このことは人類社会では文明の進化としてもてはやされているようだが、残念ながら宇宙世界からみると、機械化して荒廃した宇宙文明の後を追っているにすぎない。異次元の賢者グループと接触を持っている者なら先刻ご承知のことであろうが、一般人類はまだその恐ろしさに気がついてはいない。

長い長い宇宙の歴史は今幕を閉ざそうとしているが、それは機械との想像を絶するほどの戦いであったと思われる。無限大に拡大して宇宙の発生の源を食いつぶして埋もれてしまった、機械文明の残骸がどれほどおびただしいものであったか、それをうまく伝えることもままならない。宇宙にはまだ機械妖怪が残っていて、太陽系に取りつき、地球の物質人間を使って機械宇宙を保持し続けようとしている。その危険に気づいている地球人がどれぐらいいるだろうか。

機械は人間に夢と可能性を与えてくれ、新たな領域に我々を導いてくれているように思われる。21世紀はコンピューター文明が華やかに展開していく世紀と予感され、便利さと未知の領域に分け入ることになる興味に地球人はわき立っているようにも見える。一時期その危険を予感した人間がさまざまな手法を使ってその恐ろしさを表現していたが、最近では機械の魔的な魅力に取りつかれたように、コンピューター化は礼讃の渦の中にある。

コンピューター文明の行く先はロボット化への道である。これは生命進化ではなく生命退化の道であるのだが、この道は宇宙ではもはやたどり終えられてしまっている。地球レベルの今の華やかなコンピューター化は、その宇宙文明の残照のように思えてならない。


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